4周年とリニューアル そして東京リチュアル脱退についてのお知らせ



銀孔雀は2015年の3月にオープンしましたので、めでたいことに今月で4周年を迎えることになります。
当初、私谷崎とぶっちょカシワギによるLOFT plus1での『魔女入門』イベントを経て、現代を生きる魔女とシャーマンのためのセレクトショップとして『呪術と魔法の銀孔雀』は開業しました。

開店直後に私が妊娠したため、そこから約2年間はぶっちょさんが『弟子』としてお店を運営してくれていました。その間私はお店に全く関わらず、ひたすらに子育てに専念させてもらいました。おかげである種『お籠り期間』とも言えるような、慌ただしく刺激的な妊娠前とは対極の、究極の精神修練的な乳幼児との単調な生活のを過ごすなかで、私は改めて『魔女としての生き方』『巫女としての生き方』について正面から、そして根底から考え直し、一から学びなおす体験をしました。

去年の年始にお店の運営に復帰し、合同会社を設立し、はれて2019年の1月にリニューアルオープンを果たした『GUINQUJACK』は、『呪術と魔法の』『魔女とシャーマンのための』という冠を脱ぎました。その経緯についても改めましてお伝えいたします。

私は2012年からBVAさんと共に東京リチュアルというオカルトユニットで活動し、イベントの主催やポッドキャストの配信を行ってきました。ソロ魔女になることを志し、なんとか魔女になってはみたものの、実践者と出会うことも、翻訳以外の魔女の情報に出会うことも、あの頃は本当に容易では無く、そんな閉塞した文化圏の雰囲気を少しでも変えられればという思いで結成したユニットでした。

ご存知の方も多いと思いますが、私は東京リチュアルを脱退しました。
子供を産んだ後3年間は、BVAさんと会うのも年に数回で、ポッドキャストもろくに収録していなかったので実質解散しているようなものでしたが、この度のお店のリニューアルを機に、きちんと区切りをつけた形です。

魔女のイニシエーション以降の魔女人生の大半を、私は『東京リチュアルのるみたん』として過ごしてきたので、寂しさが無いというと嘘になります。けれど乙女から女になり母になりというライフステージの変化にともなう精神の変化の中で、『東京リチュアル』が標榜しようとしていた「楽しさ、ポップさ、対抗文化」的ビジョンに私自身の肉体と精神がついていけなくなっていました。
『東京リチュアルのるみたん』であった期間は、とにかく自分の持てるエネルギーの全てを惜しげなく使って日本のオカルト文化に貢献するために、イベント開催やメディアへの露出も行なっていたわけですが、残念ながら今はそれを行うモチベーションも、もはやありません。

1年間の『歩き巫女修行』期間を経て、東京から関西に拠点を移した頃から日を増すごとに募るのは、
「私の求めているものは、『儀式魔術』や『大作業』もしくは『対抗』や『社会運動』と呼ばれるようなものではなく、もっと当たり前の日常の中で人々が静かに営んできた、小さな祈りの手法が降り積もった地層のようなもの、そのものなのではないか」という思いばかり。

これらの経緯を踏まえ、『GUINQUJACK』は「魔女」や「シャーマン」「現代儀式魔術師」などの限定された方々のための場所ではなく、広くメタフィジカル(物質や肉体を超えた)な世界と人とをつなぐための道具や手法を提供する場として生まれ変わりました。

「私たちはホモ・サピエンス(賢い猿)じゃない。ホモ・スピリトゥス(霊的な猿)なんだ」と、ヘルツォークの映画に出ていた学者さんが言っていました。

人が人である根拠であり第四の欲求とも言えるかもしれない、いまではないいつか、ここではないどこか、ここにないなにかに想いをめぐらせそこに向けて「祈る」という行為について、感じたり考えたり、思い出したりできる場所になればいいなと思っています。

願わくば、それを望むすべての人に、祖先、精霊、動植物、季節、自然、地霊、歴史、地球、惑星、銀河系に共振するしなやかな心と身体を養い、今回の人生を自分の力で、歓びと光で満たすことのできるライフスタイルを提案できるよう、関係者共々邁進してまいります。

生まれ変わった『形而上学道具店 GUINQUJACK-銀孔雀-』を、どうぞよろしくお願いいたします。






谷崎榴美

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